若い人からの「独立・起業」の相談や、企業経営者さんとの「ビジネス戦略」の話しの中で必ず出てくるのが、
ようするに「何をすれば稼げるか、儲かるか」
という議論。
まあビジネスについて語るとなれば、当然といえば当然ではありますが・・・。
ですがこれからの時代は、「報酬」を目的とすればするほど、人はヤル気を失って行く・うまくいかなくなる時代であり、むしろ自分の内面から湧き出る「やりたいこと」をやるべき時代である、ということを、「フリーエージェント社会の到来」の著者ダニエル・ピンクが「ロウソクの問題」という実験結果に基づいて、TEDにて科学的に検証しています。
「報酬」という「外的動機づけ」は「20世紀型」の「工業化社会」、答えが決まっている「ルーチンワーク」においては最も機能するモチベーションとなるが、現在そしてこれからの「答えが無い・無限」で「無から有を生み出すクリエイティブさ」を必要とするビジネス社会においては、自らやりたいと思う「内的動機づけ」が優位である、と。
こういった、目には見えないバックボーンの変遷が実は、現在の厳しい雇用状況やフリーランス化の流れへと繋がっているのかも知れません。
もしかしたら、この国のほとんどの人々が内心「これは何か、おかしい」と薄々気づきながらも邁進せざるを得なかったバブル絶頂期、そしてその後の必然的なバブル崩壊直後辺りから、こういった「価値観の変化」はすでに始まっていたのかも・・・。
改めてもう一度、ダニエル・ピンク氏渾身の名著「フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか」をじっくり再読してみたいと思います。
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか